また、各銀行はスマホアプリでの取引を推奨していく方針にあり、スマホ画面が銀行アプリだらけになるのもうっとうしいだろう。

口座はどう分けるのが理想?
細かく分散させるのは得策ではない

 理想としては、給与振り込みや引き落とし用の口座、貯蓄用の口座、ポイント経済圏やクレカ積立のために利用する口座など、3~4口座までにしておきたい。ともすれば、住宅ローン用、子どもの学費用など、どんどんふえてしまうものだからだ。

 それに、元本が大きいほど受け取り利息も増えるので、いくら金利が高くても預金を細かく分散させるのは合理的とは言えない。選択と集中を心がけよう。

 先に、1%を早々につけた楽天銀行が昨年は力が入っていなかったはずなのに――と書いたが、今年の方向転換には同行の「メイン口座戦略」があると考えられる。

 メイン口座とは、主に給与受取口座のことだ。11月に公開した楽天銀行の決算説明会資料によれば、口座当たりの平均収益では非メイン口座に対して約4倍、口座当たりの平均預金残高は約5倍だという。

 ネット銀行はその金利の高さや手数料の安さでサブ口座の地位を獲得することはあっても、メイン口座には選ばれにくい。そこで、各銀行は給与受け取り口座に指定すると普通預金金利をアップするなどの優遇を行い、メイン口座化を目指しているのだ。

 ボーナス時期のキャンペーンでまとまった預金残高を獲得しておけば、いずれはメイン口座に昇格する種をまくことにもつながる。各銀行が年1%を意識しながら金利競争を繰り広げるのは、一時的に終わらない「長いお付き合い」を期待しているからだ。

 とはいえ、どの銀行をパートナーに選ぶかを決めるのは、私たち利用者側だ。利便性や手数料などを冷静に見極める目を持ちたい。

(金利は税引前、12月15日現在)