学生時代は、「一生懸命頑張ったのか、そうではなかったのか」ということが大きな評価基準のひとつになるのだろうが、仕事では一生懸命頑張るのは当たり前で、「いい結果を出したか、出せなかったのか」が唯一といっていいほどの評価基準になるのだ。
本田宗一郎さんが言うように、ダメな結果しか出ないやり方で馬力を出して「一生懸命やってます」というのでは、中身の薄い仕事の大量生産につながりかねない。これが「怠けていること」より悪いか否かはわからないが、どっちもダメだと思う。
大した貢献をしていない人ほど
自分が一番の貢献者だと勘違いする
If you wish a job done promptly, and you get the busiest man to do it.That's the best way to do it. Napoleon Bonaparte
(仕事を頼む時は、一番忙しい人にやらせろ。それが事を的確に済ませる最善の方法だ)ナポレオン(フランスの軍人、皇帝)
“計算高く行動する”という内容のことを書いていた時、物理学者・寺田寅彦(1818~1935)がどこかで書いていた「共同で仕事をする時大した貢献をしていない人ほど“自分は他人よりずっと大変な仕事を担った”と言うものだ」という言葉が頭に浮かんできた。
共同で複数の人と仕事をしている際に、寺田寅彦の言葉通りに感じた経験は何度もある。寺田寅彦がこの言葉で指しているような人には、経験的に2通りの場合があるように思う。ひとつは、手柄を自分のものにしたがる、欲深で計算高い人だからという場合。もうひとつは、あまり仕事ができない人であるがゆえに、大したことをやっていなくても本人にしたらすごく大変なことをやっているつもりなため、自分が一番尽力した貢献者だと勘違いしている場合だ。後者は、他の人がもっと重要な役割を果たしていても、そのことに気を回すだけの余力もないがゆえ、本人は平気でそんなことを言ってしまっているのだ。







