引用を自分の名言に変えたスティーブ・ジョブズ引用を自分の名言に変えたスティーブ・ジョブズ Photo:Justin Sullivan/gettyimages

「自分の言葉の信頼性を高めたい」「人の心に響き、行動を促せるような話ができないか」「心に刺さるおもしろい話にするにはどうしたらいいか」「記憶に残るプレゼンやスピーチにしたい」……仕事か日常かを問わず、「相手の心を動かすことができれば、もっとうまくいくのに!」と、もどかしい経験をした方は少なくないのでは。「人の心を動かすことができる話し手にはある共通点がある、そのひとつが『引用がうまい』ということ」と、コミュニケーション・アナリストの上野陽子さんは言います。何をどう引用し、伝えたいことを最も効果的に伝える話し方をするにはどうすればいいのか、上野陽子さんの著書『超・引用力』(青春出版社)からご紹介します。

相手の心に刺さる「引用力」の秘密

 立て板に水が流れるように話したり、文章に人を引き込んだり、「ああ、この人おもしろいなぁ」と心を惹かれた経験はありませんか。

 私はさまざまなコミュニケーションの記事や名言集などの書籍を書いてきました。いろんな方の取材をしたり話をしたりして、伝え方が上手な人の多くにある特徴を感じています。

 それは、たとえ雑談でも話が理解しやすく、雑多に話しているようでもちゃんと起承転結があったり、オチがついたりすること。紋切り型でも、語るタイプでも結論がわかりやすい。

 加えて特徴的なのが、引用を上手に使っているということです。