なお「アスレジャー」という語の認知の低さを鑑みてか、アスレジャーを「レギンスファッション」と便宜的に呼ぶこともあるようだが、レギンスファッションは下がレギンスならトップスはなんでもよく、それなりにフォーマルに仕上げることができるのに対し、アスレジャーは上にジャケットを羽織るなどはあるにしてもやはりトップスがスポーツウェアだったりで、全体としてスポーティーである。

 また、調べてみたところ「レギンスファッション」だとトップスの裾が股下、あるいは股の途中くらいまであって下半身をちょっと隠すようになっているテイストのものを指し、「アスレジャー」のレギンスはトップスの裾などで隠さずドバーンと丸見えになっているものを指している……ような傾向がある。

 元は海外セレブが「ジムに着替えを持っていく手間が省ける」というところから出発したファッションらしい。

部屋着のまま六本木を闊歩するのと
コンセプトは同じか…

 20年くらい前、港区在住の筆者がよれよれの部屋着(外出用に着るに耐えるスウェットなどではなく、本当にただよれよれしただけの部屋着)で麻布十番などや六本木などを徘徊していた(行き先は主にファーストフード)ことがあったが、それとアスレジャーのコンセプトは大体同じだったのかもしれない。

 期せずして流行を10年以上先取りしていた筆者は、界隈においてただの不潔で不穏な異分子でしかなかったが、現代のアスレジャーは流行の最先端であり、その先進性というかとがり方というか、そのせいで各所で軋轢(あつれき)を生み出している。

 アスレジャーはぴっちりするほど過激さが増し、全身タイツというか、「裸」の質感に近くなっていく。

 2017年には、アメリカのユナイテッド航空が少女2人の登場をレギンス着用を理由に搭乗を拒否したことで物議を醸した。

 少女2人は航空会社で働く従業員やその家族向けのドレスコード付き特典を利用していたため、ドレスコードに適さないと搭乗拒否となった、一般客は何を着ても自由です、と航空会社側は説明したが、議論は女性差別や航空会社の対応をめぐって白熱したようだ。