私もできるだけ「最悪なシナリオ」に基づいて時間を見積もり、さらに2割プラスします。いくら認知バイアスを理解していても100%はバイアス回避できない。だからそれを見込んで2割増しにするのです。
余裕をもって取り組んで仕事のクオリティを上げるためにも、時間的な余裕を組み込んで計画を立てたいものです。
正確な時間の見積もりには
やるべきことの細分化が欠かせない
先ほどお話ししたように、「計画の誤謬」は誰にでもあることです。当初見積もった時間よりも多めに時間を確保しておくことは重要ですが、「予定より長くかかった」という感情だけではネガティブアフェクト(編集部注/なんとなく嫌い、イラッとする、ちょっと苦手など、人を後ろ向きにさせる感情)ですし、成功体験にはつながりにくいものです。正しい時間の見積もりができるよう計画の誤謬を回避する仕組みをつくりましょう。
重要なステップは、やるべきことの細分化です。たとえば「プレゼンのためのコンテンツを作成する」というタスクがあった場合、これだけではあまりに大ざっぱ。これを細分化したうえで、時間の見積もりを立てる必要があります。
過去の資料の見直し(1時間)、構成のブレスト(1時間)、コンテンツのたたき台を作成(2時間)……など、やるべきことをできるだけ具体的に、細かく洗い出していき、それぞれにかかる時間を見積もります。その合計が「プレゼンのコンテンツ作成にかかる合計時間」になります。
予定時間と実際にかかった時間の
答え合わせが精度を上げる
時間の見積もりができたら、それをスケジュール表に書き込んでいきます。たとえばある月曜日、私はコンテンツ作成のために4時間を予定しました(波線部がそれです)。
同書より転載







