このことは国際秩序に対する深刻な問題です。いわゆる西側諸国は、ロシアのウクライナ侵略を非難しています。これはまったく正しい。
同時に、ガザ地区の住民を無慈悲に殺戮し続けるイスラエルには妙に甘い。これでは「結局、西側はダブルスタンダードではないか」という批判に応えられないでしょう。
ハマスの行為はそれとして厳しく批判されるべきであるとしても、だからといってイスラエルの振る舞いが看過されていいということにはならない。あらゆる侵略、あらゆる非人道的行為が非難されるべきです。「西側」に暮らす一国民としてこの点ははっきりさせておきたい。
贈賄疑惑から目を逸らすために
査問会当日にガザを攻撃か?
小谷:今回のイスラエル・ガザ戦争はたしかに連立政権の意向も大きいのですが、イスラエルは国内で問題が起こると、国民の意識を逸らすために攻撃を始める傾向があります。
2025年3月18日にイスラエル軍はガザ地区を攻撃しましたが、じつはその日、ネタニヤフ首相の贈賄疑惑の査問会が開かれる予定でした。ネタニヤフはそれを有耶無耶にするために、わざわざその日に大規模攻撃を仕掛けたのです。つまりネタニヤフの個人的な事情で軍を動かしているわけで、国民は当然、彼に対して白い目を向けています。
もう1つ、ネタニヤフ首相は2023年前半に最高裁判所の権限を制限する司法制度改革を強行しました。これに対して「自らが裁判から逃れるために司法制度を骨抜きにしたのだ!」との批判が噴出し、イスラエル史上最大規模のデモやストライキが国内で発生しました。この件もネタニヤフ首相の支持率低下に大きく関係しています。
ネタニヤフ首相にとって幸運だったのは、ガザ地区への攻撃も司法制度改革も、2022年の議会選挙後に行なったことでしょう。基本的に選挙で勝てば、4年間は首相を務められますから。
小泉:ネタニヤフが上手く内政をコントロールできていれば、国民の支持が落ちようが、首相を続けられるということですね。







