「婚活」生みの親の一言に、王子様信仰の30代女性が凍り付いたワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

日本の若者には、安定を最優先し、リスクを避けようとする傾向が今も根強く残っている。結婚においても、条件を厳しく積み重ねるあまり、なかなか最初の一歩を踏み出せなくなるケースは少なくない。「婚活」という言葉の生みの親である山田昌弘氏は、こうしたリスク回避的な姿勢が、かえって人生の選択肢を狭めてしまう可能性があると指摘している。※本稿は、家族社会学者の山田昌弘『単身リスク 「100年人生」をどう生きるか』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。

若者にも根強く残る
リスク回避・安定志向

 2000年代からは、「リスク」という言葉が日常的に入り込んできた。もともと、日本人は安定志向であるとはよく言われてきたことだ。いまだ多くの若者は大企業志向が強いし、新卒一括採用、終身雇用制といった「ザ・昭和」な慣習も大企業や公務員を中心に残っている。

 歴史をひもとけば、日本は農耕社会をベースとして社会を築いてきた背景もある。農業自体、気候や天候を見極めながら、仲間と協力してコツコツと続けていくものだ。突発的な行動力よりも、計画的にタスクをこなしていく力が求められる社会。そこではあえて「リスク」は取らないほうが無難である。去年と同じ方法、従来通りの方法を取ったほうが間違いは少ない。

 江戸時代の約260年間は、厳格な身分制度が完成した時代でもあった。自らに与えられた身分をわきまえ、職務を全うすることが大事。先の見通しがつき、村八分にならないよう行動する。日本人の「真面目で几帳面」という国民性は、こうした社会構造にも根差している。