例えば、フランスのような結婚前の血液検査の義務付けなどはもってのほかだ。
「フランスでは役所での婚姻の際に、健康診断書が必要になります。これは血液検査で、病気や持病がないかどうか、もし病気があった場合、お互いにそのことを知ったうえで結婚をするということです。それは、病気や持病が原因での離婚を避けるためでもあります」(朝日新聞デジタル2014年10月14日、中村江里子 パリからあなたへ「フランスで血液型を聞くということは…」)。
ちなみに元アナウンサーの中村江里子は、将来夫になるフランス人男性と初めて食事したときに軽い話題として血液型をきいて、もう結婚の話をするのかと誤解されたというのがこの一文の趣旨である。
『統計で問い直す はずれ値だらけの日本人』(本川裕、星海社新書)
こうして、日本では、役所への届出だけで婚姻が成立し、離婚も協議離婚が容易に認められるという世界で最も簡便で自由な結婚制度が生まれた。こうして、事実婚を選択する大きな理由が日本では欠落することになったことが、極端に低い婚外子比率にむすびついている側面があろう。
そうした意味では、戦前の家制度等による伝統的結婚制度への反動が強かったため成立した世界で最も自由な結婚制度が、現代では、世界で最も遅れているかに見える極端に低い婚外子比率を生んでいることになろう。
すなわち、日本は遅れているのではなく、進みすぎていて、未婚のカップルと婚外子が少なくなっているとも言えるのである。
憲法改正の自民党案では、第24条について、「合意のみ」を「合意」に変更している。家族・親族の絆、地域の絆を強める方向での婚姻、離婚の制度、つまり現行の欧米の制度並みに戻そうとする保守政党としてはもっともな改正案だと思われるが、改正の結果、見込まれるのは、おそらく意図とは反対の欧米レベルの事実婚や婚外子の増加であろう。







