さらに申し上げるなら、昨年からAIに関する問題がかなり増えています。開成、慶應中等部、本郷ではChatGPTなどの生成AIに作らせた問題を出題しました。
問題文を読んだ最後に「実はこれは人工知能に書かせた文章です。ちなみに、この中には誤りもあります」といった形です。
――親自身が中学受験初心者だと戸惑うことばかりかもしれません。
私のように、親御さんご自身が中学受験経験者ではない場合、まずは親御さんが中学入試の問題を解いてみてください。多分、驚きと同時に気付きもたくさんあるのではないかと思います。子どもと一緒に知識を付けることは、親としての成長をダイレクトに促すものなんです。
親も一緒に解く。時間があれば入試問題にチャレンジしてみてほしいです。多分、解けないです(笑)。でも、それで全然いいんですよ。親も「なんでだろうね?」って一緒に考えるのがいいんです。大人である親が教えなければならないと思うかもしれませんが、そんなことは全くないです。親も一緒に「これは何算を使えばいいのかな?」と悩めばいいんです。
子どもの方が最初に気付いて正答してしまう例も出てくるでしょう。そしたら「ちょっとお母さん、お父さんにも教えてくれる?」と言えばいいんです。それが、また子どもの勉強になりますから。親もそういう経験をして、子どもがどれだけ大変な壁に立ち向かおうとしているのか、親自身が分かった方がいいですよ。
――年が明けるとすぐに受験本番です。6年生の親御さんは気が気じゃない毎日をお過ごしだと思うのですが、最後に本番前の親が意識しなければならない注意点についてお聞かせください。
入った学校が間違いない学校だということです。中高一貫校は首都圏で300校以上あります。その中から選び抜いて受験校にしているはずです。親は併願プランを考えますから、どうしても志望順位はあります。
けれども、家庭内だけは「どの学校もいいね」という雰囲気を作っておくことが重要です。たとえ押さえの学校に入学するにしても「本当に良かった」と言って送り出すことです。中学受験を本当に良い経験にして終わらせてあげることが子どもの人生にとって大切だからです。







