慶應普通部も「普通部らしい」問題です。2024年は「雑木林などでカブトムシの頭だけが落ちているのはなぜですか?」と問いかけています。カブトムシの頭だけが道に転がっているのは、虫取りに夢中になった子には「知っている」問題になります。
カラスなどの捕食動物が柔らかい内側の体だけを食べて、硬い頭を食べ残すからなんですが、慶應は普通部だけではなく中等部もこういう問題が多いです。学校として机にかじりついているのではなく、ちゃんと本物を見たり触ったりすることが大事だと考えているのでしょう。
慶應普通部 2024年度入試問題 理科
――都会派の親がこういう問題を見たら、子どもをもっと自然に触れさせなければいけないと思っちゃいそうですね。日常生活の中の出来事を問う問題も多いですか?
そうですね。たとえば、女子学院はトマトの断面図を問う問題を出しました。当然、切った経験がある子は瞬時に分かります。同じ年に栄光ではピーマンが出ましたが、実はトマトの断面図は各校で出題されやすいです。
だからといって「今夜、トマトを切らせなくちゃ!」ではないんですよ(笑)。やっぱり「普段から家庭のことや身の回りのことをもう少し子どもたちにやらせなさい」ということなんでしょうね。
女子学院中学校 2024年度 理科
今まで語ってきたように、社会の「なぜ」に関心を持つことは大事です。2017年の公文国際学園の社会では婚姻届のコピーと渋谷区のパートナーシップに関する新聞記事が資料として付けられました(実際の問題は記事末尾に掲載)。







