日本国憲法の両性の平等を絡めた問題でしたが、一般的には入試ではアンタッチャブルにされるようなことでも、実際の授業で取り上げているから入試にも出す。一昨年、公文国際から東大に推薦で入った子の論文が「ジェンダーレストイレ」だったということも関係あるかもしれません。いずれにしても、学校に社会問題に対する興味関心という素地があるからなんですね。

 親と会話することは本当に大事だと思います。お父さんとお母さんの意見が違うってこともすごく大事。なぜなら、今は賛成の立場の意見と反対の意見の立場を答えなさいみたいな問題も増えているからです。

 これまでは意見を書かせる問題であっても「賛成だったら賛成の立場で書きなさい」でした。しかし、今は「どちらの意見も書きなさい」という出題が増えてきています。 

 開智も知識だけではなく思考力を試す問題を積極的に出しています。2024年の特待Aの社会では「タリバンが破壊したバーミヤンの大仏を『負の遺産』とすることに対しての賛成・反対の意見をそれぞれ説明せよ」というものでした。

開智中学校 2024年年度入試 社会開智中学校 2024年年度入試 社会

 “多様性”という言葉を耳にすることが多くなりましたが、世の中には様々な立場があって、立場が違うといろんな意見があるということを家族の会話の中でも気付かせてあげてほしいんですね。

 自分は小学生だけどいろんな意見を言っていいんだなという雰囲気を作ってあげてください。「自由な発想」が大事と言われますが、 自由な発想って練習しないとできないですからね。

 自由な発想をするためには、心のタガを外させる。少なくとも、家庭の中では自分がいろんな意見を言っても否定されないという空気を作ってあげることがすごく重要なんです。