期限付き移籍の選手に頼ってきた過去
「若手選手が育つクラブ」に生まれ変わる
予算が限られている状況もあり、水戸の補強は他チームから期限付き移籍で加入してくる選手たちに長く頼ってきた。代表選手でいえば2000年代の序盤には田中マルクス闘莉王がプレー。森保ジャパンの常連選手で、現在はヨーロッパでプレーする前田大然と小川航基も水戸に所属していた。
しかし、練習環境と育成プログラムの両輪が整ったいま、水戸は「若手選手がしっかりと育つクラブ」として認知された。その証がJ1昇格とJ2優勝を決めた大分戦の先発メンバーとなる。
期限付き移籍の選手は、昨シーズンにサンフレッチェ広島から加わった仙波大志だけ。齋藤を含めた6人が新卒で水戸に加わった有望株であり、後半開始早々の先制点は立正大学卒の多田圭佑、ダメ押しとなった同30分の追加点は専修大学卒の山本隼大と、ルーキーが競演するように決めている。
特筆すべきは23.82歳という先発メンバーの平均年齢の若さだ。27歳ながら11人の最年長で、ゲームキャプテンを託された大阪体育大学から加入して5年目の大崎航詩が昇格の要因を語る。
「何かが急に大きく変わった、というよりは、少しずつ変わってきたところに経験のある選手や、あるいは勢いのある若手と本当にいろいろな選手が入ってきたタイミングが重なった結果がJ1昇格であり、J2優勝なのかな、と。(大分戦で)僕が最年長になるくらい若い選手が多く出ているなかで、森(直樹)監督がベースに掲げる守備の戦術に、本当にすべてがバチンとはまった印象です」
試合終了直後にピッチ上で男泣きした大崎は、小島社長を見つけると今度は抱き合って号泣した。J3への降格危機に直面した2023、24シーズンに批判の矢面に立った同社長の姿が忘れられないという。
「社長のそういう熱い思いを、絶対に無駄にしちゃいけないと思っていました。その社長から『いままで一緒にやってくれて本当にありがとう。感謝しているよ』と声をかけられたのがすごくうれしくて」







