ゴルフ大全#3Photo:adventtr/gettymages

東京オリンピックの舞台となる霞ヶ関カンツリー倶楽部をはじめとする「9大」ゴルフ倶楽部は、いくらカネを積んでも入会することができない。最高峰ゴルフ倶楽部の風格を保つため、独自のしきたりもある。特集『ゴルフ大全 ビジネス×人脈×カネ』(全12回)の#3では、「9大」ゴルフ倶楽部の内幕に迫った。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

秘密主義がより格を押し上げる
超名門ゴルフ倶楽部

 関東、関西の名門ゴルフ倶楽部の中でも、ゴルファーが是が非でもメンバーになりたいと渇望する最高峰のゴルフ倶楽部が存在する。

 埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部、東京ゴルフ倶楽部(GC)、神奈川県の相模カンツリー倶楽部、程ヶ谷カントリー倶楽部、長野県の軽井沢GC、兵庫県の神戸GC、廣野GC、鳴尾GC、大阪府の茨木カンツリー倶楽部の9倶楽部(以下、九大ゴルフ倶楽部)だ。

 いずれも戦前に開場した歴史と伝統を誇る最高峰のゴルフ倶楽部であり、井上誠一や大谷光明ら巨匠によるコースの設計はもちろん、コースメンテナンスのクオリティーは超一級品だ。

 何より九大ゴルフ倶楽部が最高峰たるゆえんは、厳しい入会条件だろう。1000万円を超える入会金はもちろん、複数のベテランメンバーからの推薦が必要な上、厳格な審査をクリアしなければならない。カネをいくら積んだところで、そのゴルフ倶楽部にふさわしくなければ、メンバーにはなれないのだ。

 最高峰のゴルフ倶楽部に認められることは、エリートの仲間入りを意味し、大きなステータスとなる。だからこそ、九大ゴルフ倶楽部のメンバーという“称号”は、是が非でも手に入れたいのだ。

 もう一つ、九大ゴルフ倶楽部を最上位の格に押し上げているのが、秘密主義である。まるで几帳やついたてで覆われて姿がはっきり見えない平安時代の姫君のように、九大ゴルフ倶楽部の内実はベールに包まれているのだ。

 誰しも、最高峰ゴルフ倶楽部のメンバーになるための攻略法を知りたいところだが、審査基準は門外不出。ITがこれだけ普及しているご時世でも、軽井沢GCや廣野GCはホームページすら設けていない。

 また、最高峰ゴルフ倶楽部の品格を保つために、一般のゴルフ場にはない独自の作法が九大ゴルフ倶楽部には存在するのだ。

 それでは、九大ゴルフ倶楽部のメンバーやビジター来場者への取材を通じて、最高峰倶楽部の内幕をのぞいてみよう。