それに代わる薬としては、不眠治療薬である「ラメルテオン」が考えられます。
ラメルテオンはメラトニンと同じように、抗炎症作用および抗酸化作用を有し、さらに、新型コロナを引き起こす病原体「SARS-CoV-2」に対する抗ウイルス作用は、メラトニンよりも強いことが報告されています。
新型コロナに罹患した高齢者が、不眠治療薬が必要となったときにラメルテオンを選択すると、予後が良くなる可能性があります。
一方で、不眠治療のためにラメルテオンを用いている高齢者が新型コロナに罹患したときには、ラメルテオンを中止すると重症化リスクが高まる恐れがあるとされています。
後遺症「ブレインフォグ」が
減る可能性がある
新型コロナに罹患した際に、甘く見てはいけないのが後遺症です。
倦怠感、睡眠障害、思考力や集中力の低下などが長期間残る「ブレインフォグ」という状態が多くの人に現れ、社会問題となっています。
『世界の最新医学が教える最高の薬の飲み方 時間治療』(藤村昭夫、講談社)
このブレインフォグに対する治療法は確立されていませんが、最近、抗ウイルス薬である「ニルマトレビル」を、感染後5日以内に投与するとブレインフォグが残るリスクが4.5パーセント減ることが報告されました。しかし、この程度の減少率では十分ではなく、さらに新しい治療法が求められています。
ブレインフォグの機序は十分解明されていませんが、患者さんの脳内に侵入した病原体SARS-CoV-2が、中枢神経系に障害を与えた可能性が考えられます。
この点を明らかにするためにマウスを用いて行われた研究では、ラメルテオンを腹腔内投与するとSARS-CoV-2の脳内への侵入が少なくなり、それに伴う脳障害の程度が軽減することなどがわかりました。
こうした知見により、高齢者を含めた新型コロナの患者さんに早期にラメルテオンを投与すると、ブレインフォグが生じる危険性は減るものと期待されます。







