そんな時、1冊の本と出合いました。古典児童文学の『少女パレアナ』(原題:Pollyanna)です。孤児である主人公の少女パレアナは、どんなにツラく理不尽な状況でも、亡き父との約束である「うれしいこと探し(Glad Game)」を実践し、周囲の人々までも変えていきます。例えば、「松葉杖をついている」という一見するとマイナスな事実に対しても、うれしいことを見つけます。「松葉杖が(いずれ)必要なくなること」だと。

 私はこの物語に衝撃を受けました。そして、決意します。「今日から1カ月間、日記に自己反省を書くのをやめ、『うれしいこと探し』を徹底的に実践してみよう」と。

 その日から、どんな些細なことでも手帳に書き出す日々が始まりました。「電車で座れた」「今日はメイクが少し上手くいった」「道で見かけた花がきれいだった」……。

 そして1カ月後。自分の部屋の鏡の前に立つと、信じられない感情が沸き起こりました。

 それまで自分の顔を見ると、「目が細い」「鼻が低い」など欠点ばかり気になっていました。ところがその日は、「私って可愛いところもあるかも」と自然に思えたのです。

 涙が出そうになりました。もちろん、1カ月で私の容姿が変わったわけではありません。自分を責めていた脳のクセが、ポジティブをキャッチするセンサーへと切り替わったのです。

 20歳といわず、30歳でも40歳でも50歳以降でも人は変わることができます。思考のクセを変えるトレーニングをする、習慣づけるのです。

子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

スマホのアプリでも鍛えられる

 私や息子が実践した「うれしいこと探し」は、いわば「脳の筋トレ」です。そして現代では、このトレーニングを助けてくれるテクノロジーも存在します。