したがって、LLMによる言語生成AIは海外から調達・利用することを前提にせざるを得ないでしょう。その代わりに次の3点を進めるべきです。
(1)一定品質以上となる言語生成AIをコモディティー化する
(2)小規模学習モデルや特定ドメイン向け言語生成AIの開発は継続する
(3)LLMによる言語生成AIは技術ウォッチのための学術研究プロジェクトに残す
ここでは(1)について説明します。LLMによる言語生成AIは、一定以上の品質をいつでも安価に調達できるようにし、いわばコモディティー化することで、自国で保有しないことによる不利益を最小化すべきです。
それには複数の言語生成AIが利用可能になるよう誘導していく必要があります。例えば、企業および政府の調達において特定の言語生成AIへの依存を避けるとともに、競争法なども駆使して特定の生成AIの寡占化を防ぐべきでしょう。
3つの標準・基準を定めることで
言語生成AIを標準化せよ
そして、図表6-1で示したような3つの標準・基準を定めることで、言語生成AIを利用する方法や、提供される機能・品質を標準化します。この標準化への準拠を、LLMによる言語生成AIの事業者だけでなく、小規模学習モデルによる言語生成AIの事業者にも求めます。
つまり、言語生成AIを低コストかつ容易に切り替え可能にすることです。これは安全保障上の観点に加え、経済的にも複数の言語生成AIを競争させ、利用料の高止まりを防ぐうえで重要です。
同書より転載 拡大画像表示
もちろん、言語生成AIの事業者にこれらの標準化への準拠を求めることは容易ではありません。しかし、日本以外の国、例えば欧州などにも言語生成AIのコモディティー化によるメリットはあるはずです。EUを含む複数の国が連携し、事業者に準拠を求めていくのが得策でしょう(※1)。
※1 他社の言語生成AIを利用している企業、例えば大手プラットフォーマーのアップルなどにもメリットがあるはずです。







