日本の強みを活かせる
ドメイン特化生成AIの開発へ
LLMを利用した汎用性の高い言語生成AIの開発についてはコモディティー化を進める一方、特定ドメイン向けの小規模言語生成AIの開発は継続すべきでしょう(※2)。
その理由は、海外大手プラットフォーマーの参入の可能性が低いことと、市場性があることです。ここでいうドメインとは、製造、建設・土木、物流、小売り、農業、介護などの業種や、その細分化された領域、さらに営業・法務・労務管理などの個別業務を含みます。
ただし、ドメインによっては、その分野に特化した生成AIよりも、汎用型生成AI単体、またはRAG(検索拡張生成)など外部データベースとの組み合わせの方が適することもあります。また、ドメイン特有の制約、例えば業界ルールや安全性などがある場合は、そのドメインに特化したAIが有用であり、ドメインの選定が重要となります。
ご存じのように、日本でもいくつかのドメイン、例えば法務(契約)、製造、物流、医療、金融、行政などでは、ドメイン特化型生成AIがすでに開発・利用されています。契約書作成・管理生成AIは、書式にのっとった契約書の作成、確認事項や抜け漏れの検出などを行うツールとなります。
契約書は誤りの許容度が低い一方で、明文化されたルールや書式が多いという特徴があり、汎用型生成AIよりも、そのドメインに最適化された言語生成AIが適している分野といえるでしょう。
しかし、海外展開には戦略が必要です。仮に日本のドメイン特化生成AIを海外に展開しようとしても、業務の仕方が異なれば、再学習を含む改変が必要です。
また展開先にはすでに現地の業務に適した類似のドメイン特化生成AIが存在する場合もありえます。ドメイン特化AIは業務の仕方に依存します。そこで有望な戦略となるのが、業務ツールとしてAIを輸出するのではなく、そのAIを活かした業務の仕方そのものを輸出することです。
※2 小規模言語生成AIは汎用性に劣り、過学習やハルシネーションが起きやすいとされています。また、攻撃への耐性が強いとはいえません。こうした限界をよく理解して利用すべきです。







