ご存じのように、今回の問題は初めてではない。2010年の尖閣沖諸島で、中国船籍の船と、日本の海上保安庁の船が衝突したことで日中関係の緊張が高まったところで、レアアースの対日輸入を停止したのだ。

 これによって、ハイテク関連の製造業が大きな打撃を受けて11年には価格も高騰、後に「レアアースショック」と呼ばれるダメージを日本経済が被ったのは有名だ。

 ただ、実はこのときも一部のネットやメディアでは「レアアース輸出規制、日本の先手で中国涙目」という論調があふれかえったことはあまり知られていない。例えば、日本経済新聞の「レアアース対策の成果を次に」(2012年11月5日 https://www.nikkei.com/article/DGXDZO48061630V01C12A1PE8000/)の冒頭だ。

「ハイブリッド車などに欠かせない希少金属の一種、希土類(レアアース)が最高値の3分の1前後まで値下がりし、主産国の中国では生産停止に追い込まれる企業が出てきた。日本が官民挙げて省資源技術の開発などに取り組んだ対策が奏功したといえる」

 忘れている人も多いだろうが、実は15年前のレアアース問題で日本政府がおこなった「対策」は今とほとんど変わらない。公金およそ1000億円を用いて、中国以外の調達国を探して鉱山権益を拡大。さらに、この資金で企業を支えてレアアースの代替技術の開発に力を注がせた。

 ちなみにこのときも南鳥島のレアアース泥がフィーチャーされ「脱中国の切り札」という期待の声が上がっていた。マスコミも今のような調査船を取材したものだ。

 こういう「日本の対策」が繰り返し報道されていくなかで、先ほどの日経新聞のように「中国涙目」的なニュースもでてきたというワケだ。日本人からすると特に胸がアツくなったのは以下であろう。

「中国からの今年のレアアース輸入量は1万トン程度と10年に比べて半減し、輸入に占める中国の割合も8割から5割に低下する見通しだ。日本の力を結集すれば短期間で成果を引き出せる証しであり、関係者の努力を評価したい」(同上)