同調しながら
事実関係を聞き出す

 最初にやるべきは、同調です。

「なるほど」「ふむふむ」「そういうことかぁ」など、言葉はなんでも良いのですが「君の言うことを、理解できるよ」というニュアンスを含む言葉で受け止めましょう。

 ここで「そんなことないよ」とか「それは勘違いだろ」とかいう話にしてしまうのは、得策ではありません。部下からすると「あ、この人は部長側の人間だな」と思われてしまいます。

 ただし、この際に気をつけるべきは、同調だけで終わらせず、「事実確認」を混ぜ込むことです。

 例えば、

「なるほど。Xさん、そういうとこあるかぁ。ちなみに、最近、Xさんとなにかあったの?」

 という具合です。

 事実を理解しないことには、話が空中戦になってしまいます。

 何があったのかもよくわからない状態で、Xさんが良いとか悪いとかいう議論をすること自体、まったく好ましくありません。

 なお、返答するに際して「そういうとこあるかぁ」とお茶を濁し、「そういうとこあるよね」というふうに断定しないのもポイントです。

「あなたが同意した」というふうに周りに言いふらされても困りますからね。

上司への愚痴から
「事象の課題や改善策」に焦点をずらす

 事実の話が出てきたら、次は、否定・批判する対象をずらしにいきます。

 具体的には、批判されている上司(Xさん)ではなく、Xさんの振る舞いに対して批判の目を向けるのです。

 例えば、部下の訴えがこういうものだったとします。

「先日、古くからお付き合いのあるお客様への訪問資料についてX部長からコメントをもらったので、それに合わせて資料を作っていったんですよ。で、実際にX部長と一緒にご訪問して、その資料を説明したら、お客様から『んー。ちょっと違うなぁ』と言われてしまって。

 僕が最初に作ってた内容の方が正しかったんですよ!それなのに、X部長は『いやぁ、すみません。ちょっと誤解がありましたね。はっはっは。』って悪びれもしないで笑ってて、僕がミスしたみたいな感じになっちゃったんですよ。ひどくないですか?」