こういう場合は、僕であれば

「あー、それは担当者としては不満に感じるよね。わかるわかる」

 と、立場と感情に対する同調を挟みます。その上で

「まぁ、でも、X部長にも立場があるから、そこで『私が間違いました』とは言いにくかったのかもしれないよね。付き合いも長いお客さんの前で、言いにくいよね」

 のように、X部長の事情についても言及するでしょう。人それぞれ、事情があるよね、という一歩引いた観点を提示します。

 そして

「で、結局、お客さんの反応はどうだったの?打ち合わせ自体はうまくいったの?」

 など、その事象の周辺情報に関する質問をします。

 この一連の流れによって、「話がコロコロ変わる、ろくでもない上司」および「それによって迷惑がかかっている若手」という対立構造から、「打ち合わせの成否」という話に論点がズレていきます。

 打ち合わせがうまくいった、のなら、「X部長が、打ち合わせを成功させるためにそういう振る舞いをした」という可能性もある、ということになります。

 打ち合わせがうまくいかなかった、のなら、「もっとクリティカルな問題点がなかったのか」が論点になります。そんな資料の一部分の間違いだけで、商談がうまくいかないなんてことは考えにくいですからね。

 その結果、X部長に対する愚痴から始まったこの話は、「失敗商談における課題の特定」もしくは「成功商談から学ぶ次回への学び」というような方向に進みます。

愚痴は徳を下げる
関係の深い部下には一歩進んだアドバイスも

 通常は、ここまでの対応で十分だと思います。

 この先は、応用編です。愚痴を言ってきた部下との関係性などによっては、逆効果になりますので、ご注意ください。

 さて、相手が、あなたのことを十分に信頼している、あるいは、素直に話を聞いてくれるような関係性ができあがっている場合には、ぜひ「愚痴を言うことには、何の意味もないどころか、むしろ、人生の損になる」ということを伝えてあげてください。