過去のミスは、派閥争いのツールになる

 改めて、お願いである。水増し請求の類は、とにかくやめてほしい。これは「昔はおおらかで良かった」という話ではないし、「締め付けが厳しくなった」という話でもない。時代が変わっただけのことである。

 そして、さらに恐ろしいことを想定してもらわなくてはならない。企業には、多かれ少なかれ「派閥」というものが存在する。平時であれば黙認されてきたような「小さな不正」であっても、ひとたび反対派閥による追い落としのターゲットにされれば、それはあなたを社会的に抹殺するための、この上ない「武器」へと変貌することを意味する。

 過去の「これくらいなら」という安易な行為が、個人攻撃の格好の材料となり、数年後に自身を解雇にまで追い込むリスクが現実にあるのだ。

 だからこそ、昔の感覚のまま行動するのは、この段階でやめてほしい。何も不正はいけないからやめたほうがいい、とか、今後は必ず見つかって処分対象になるからやめたほうがいい、といった理由だけでこのように警告しているのではない。

 こうした行為は、倫理の問題である以前に、あまりにも割に合わないリスクになりうるからだ。

「これくらいなら」という発想は金輪際終わりにする。それが、これからの時代に自分自身を守る確かな選択なのである。