登場からたった2年半でフルモデルチェンジした理由
今回試乗するのは、新型のデリカミニだ。
「もう新型?顔面だけ変えたマイナーチェンジでしょ」といぶかしく思われる方もおられよう。何しろ「デリカミニ」というクルマが生まれてからわずか2年半しかたっていませんからね。
だが間違いなく正真正銘の“フルモデルチェンジ”だ。やけに短いサイクルではないか。なぜか。その理由を探るには、「NMKV」という会社の存在と立ち位置を理解しておく必要がある。
NMKVは、2011年6月1日に日産と三菱が出資比率50:50で設立した合弁企業だ。「Nissan Mitsubishi Kei Vehicle(ニッサン・ミツビシ・ケイ・ビークル)」の略で、日産と三菱が共同で軽自動車を開発する際に、何を共通化し、どこで個性を出すか。またコストとスケジュールと品質をどう折り合わせていくかといった“交通整理”を行う、言わば司令塔の役割を担う立場にある。
NMKVは実際にクルマを“造る”会社ではない。だから溶接ロボットの火花が散るような工場設備は保有していない。同社が行うのは、クルマの命運を左右する商品企画とプロジェクトマネジメント。ここを理解しておくと、今回の「早すぎるフルモデルチェンジ」の側面が見えてくる。デリカミニだけがイキナリ若返ったのではない。“土台の世代”が切り替わったのだ。
三菱は新型デリカミニを出したタイミングで、兄弟車であるeKスペースも発売している。
また日産も、ほぼ同時に新型ルークスを正式発表している。
同じタイミングで一斉に新型を発売。つまりは「デリカミニのモデルチェンジ」ではなく、ルークス/eKスペース/デリカミニという「NMKV軽スーパーハイト一族の世代交代」ということだ。
ここで「デリカミニはまだ出したばかりだから、ウチはまだ結構です」と三菱がゴネて旧世代に固執すれば、電子アーキテクチャも安全装備も調達も、すべてが中途半端になってしまう。特に昨今はADASやHMIの更新速度が異常に早い。血肉を分けた兄弟が新世代へ行くのなら、若いデリカミニも一緒に行かねばならないのだ。止めてくれるなおっかさん。背中のダイヤが泣いている。「やけに早いサイクルで新型が出た」理由はここにあるのだ。







