荒れた路面で真価を発揮する足回り
それではクルマに乗り込もう。
室内長+115mmの“めでたさ”が、実際の着座と視界でどう感じられるか。そして背の高さゆえの副作用が、足回りのチューニングでどこまで消されているのか。答え合わせをしていこう。
車内は広くなっている? Photo by F.Y.
運転席に座りスタートボタンを押す。エンジン音は静かだ。
まずは街中の超低速域。最近は道路工事がやたらと多い。土建国家ニッポン。工事中の段差をひとつ、ふたつと越え、雑な舗装を越えていく。ここで気づくのは、低速域の入力を受け止めるのが上手いことだ。角の立った衝撃をスパッと切り落とすのではなく、うまく丸めて通過させる印象だ。一方で背の高い軽にありがちな、上屋がワンテンポ遅れて揺れ戻す気配が少ない。荒れた路面でも車体がバタつかず、揺れが早めに収束する。「オフ寄り」のセッティングなのだろう。道の悪さを前提に、入力のいなし方と姿勢の収め方を上手に整えている。
少し速度を上げる。路面の継ぎ目や補修跡が連続する場所ほど、新型の性格がより明確になる。入力の角はきちんと丸めている。だが丸めてポイではない。ボディは揺さぶられるが、揺れ続けない。「軽っぽいユラユラ」が減り、ハンドル操作が忙しくない。
今回新たに採用されたKYB製ショックアブソーバーProsmooth(プロスムース)の効果は絶大で、「超低速域の摩擦や減衰を整えて“遮断感”と“安定”を両立させる」という思想が、狙い通り効いているのだろう。
デリカミニ4WD以外の兄弟車(デリカミニFFも含む)は、すべてショックアブソーバーに「イニシャルバルブ」という補助パーツが追加されている。ショックの応答性を高めるためだ。対してデリカミニ4WD“だけ”は、イニシャルバルブを付けず初期の反応を立てるよりも、「超低速域の質感と収束の良さ」を狙っている。明らかに荒れた路面での落ち着きを狙ってのことだ。新しいデリカミニは、よりアウトドアに寄せてきたのだ。







