「べき論」の背景にある恐怖を自覚する
対立が生まれたとき、相手がこちらを理解しないと怒るのではなく、まずは自分が持っている「べき論」を整理したほうがいいです。
何をする「べき」と思っているのか、この案件はどうする「べき」と思っているのか、それを書き出してみましょう。
そうすることで、まずは感情的にならずに自分の考えを自分で確認できます。
そして、同時に考えてもらいたいことが「『べき論』の背景にある自分の恐怖」です。自分が何かに対して「べき」と感じるとき、その「べき」の背景には必ず「さもないとこうなってしまう」という恐怖があります。
恐怖があるから「これはこうするべき」という発想になるわけです。そして、その恐怖が強ければ強いほど、持っている「べき」も強くなり、譲れなくなります。譲れなくなれば、その「べき」を守らない人とは強く対立することになってしまいます。
でも、ここで少し考えてみます。その恐怖は本当に起きてしまうものなのでしょうか?
もしかしたら自分が勝手にそう思い込んでいるだけで、単なる妄想かもしれません。恐れていることは起きないかもしれませんし、仮に起きたとしても大したことがないかもしれません。
仕事ができる人は、お互いの「べき論」を確認すると同時に、「さもないとこういうことが起きてしまうのではないか?」という自分が持っている恐怖を自覚しようとしています。
そして、相手に対して「これをやらないと、こういう事態になってしまうと私は思っているんです」と冷静に伝え
ています。
相手に伝えることで、相手の認識が変わり、あなたが懸念している恐怖に賛同してくれる可能性もあります。となると、相手も同じように「べき論」を持つことになり、お互いの認識がそろいます。
もしくは相手と話し合うことで、自分の想定が妄想だったと気づけるかもしれません。相手が、あなたが知らなかった新情報を教えてくれ、あなたの恐怖がなくなるかもしれません。
もしそれで恐怖がなくなれば、あなたが固持していた「べき論」もなくなり、相手に対して抱いていた対立心も和らいでいきます。
どちらにしても、自分が相手と対立しているのには理由があり、無意味に感情的になっているわけではないことを伝えることができます。
では、なんと答えるのが正解?
つまり、冒頭の問いの答えは「電話は相手に時間を使わせてしまうと思っているんです」などです。
一番いけないのは、言わないことです。
自分が考えていることを相手に伝えず、相手に漠然とした嫌悪感を抱くことです。
そうなってしまうと、やがては「あいつは人間的に嫌な奴。もう話もしたくない」と決裂してしまうでしょう。
仕事ができる人は、感情的に大人だから対立しないのではなく、対立をしないように相手に伝えられるから、対立しないのです。







