高校時代から吉田を見てきた
山田修義投手の証言
しかし、同様の発言をするのはゆり香さんだけではない。かつてのチームメイト、オリックス・バファローズの選手たちも、異口同音の感想を口にしている。
「あんなにマイペースなヤツはいないですよ。そもそも彼は、僕のことを先輩だと思っていないと思います(笑)」
バファローズの貴重な中継ぎ左腕であり、敦賀気比高校の2学年先輩である山田修義の証言である。まずは、吉田との出会いについて振り返ってもらった。
「彼が高校に入学してくるとき、僕は新3年生でした。このとき、現在の監督で、当時はコーチだった東(哲平)さんから、“今度入ってくる1年の左バッターはすごいぞ。これまで見たことがないバッターだぞ”と聞いていました。それが吉田正尚でした」
2009年ドラフト3位でバファローズに入団した山田は、吉田と同じ敦賀気比高校出身である。1991(平成3)年9月生まれなので、吉田の2学年先輩となる。ブルペン陣のリーダー格として若手投手陣を引っ張る貴重な左腕投手である。
「東さんからの話で聞いていたときは、“どんな選手なんだろう?”と楽しみでしたけど、入学してすぐに、その言葉の意味がわかりました。スイングスピード、ヘッドスピード、打球スピード、いずれも僕たち3年生よりもダントツですごかった。
バットを振る力がすごかったので、大きいものを打とうとすればホームランも狙えるし、バットコントロールも優れていたのでヒットも狙える。いずれにしても、何もかも一番でしたから」
入学早々、上級生を差し置いて試合に出ることになった。誰も「大抜擢だ」とは驚かなかった。妬む者もいなかった。突出した才能は嫉妬を超えるのだ。
そして吉田は、周囲の期待通り、コンスタントにヒットを連発する。春の大会では打率7割を記録した。ほとんどアウトにならないのである。山田をはじめとする先輩たちも「さすがやな」と舌を巻くしかなかった。
甲子園に出場したときから
勝負強さの片鱗が見えていた
高校生になってようやく1カ月が経過しようとする頃、試合での吉田を見ていて、山田は「あること」に気がついた。







