新幹線で本運用が始まった
スマホによる線路モニタリング
次は2022年8月の記事で触れたスマホを用いた線路モニタリング技術だ。市販のスマホを営業列車の前面窓に取り付け、内蔵の加速度計とカメラ映像、GPS機能を組み合わせて線路状態を計測する。
線路の状態を随時把握できるようになったことで、係員が列車に添乗して行っていた年4回の巡視のうち、3回を代替できるようになった。「レールモニター」と命名されたこのシステムは、既に新幹線では本運用を開始し、1日1往復の検測を行っている。
在来線でも4月以降、広島を中心に管轄する中国統括本部で本運用を開始する予定だ。前出記事にも書いたように、保線要員の人員確保に悩む私鉄も安価かつ高精度のレールモニターに高い関心を示しており、阪急電鉄や神戸電鉄が導入済みだ。
続いては、2023年5月に取り上げた、鳥取県米子市の下水処理施設管理業務受託から発展した総合インフラマネジメント事業「JCLaaS(ジェクラース)」だ。施設の老朽化や人手不足、財源不足に悩む自治体の上下水道、道路・橋梁、河川、公共施設の持続性確保を目的として、JR西日本グループの総合力とパートナー企業がDX推進による事業の効率化・省人化、予防保全の導入などを進める。
公共事業はこれまで本庁と区役所がそれぞれ業務ごとに複数社と単年契約で委託してきた。この体制では長期的視点に立った維持管理・更新を行いづらいため、JR西日本が参加する共同企業体が一元的に複数年契約を締結し、維持管理のコストダウンや効率的な維持管理サイクルを構築する。
現在、京都府福知山市の上水道事業を受託する「ウォーターサービスきほく」、京都府城陽市の水道事業及び下水道事業を受託する「みずパートナーJOYO共同企業体」に出資し、事業に参加している。
また、JR西日本と日本工営が共同で提案中の、広島市の道路・橋梁分野のアセットマネジメント・コンサルタント業務が、国土交通省の「令和6年度民間提案型官民連携モデリング事業」に採択され、契約締結に向けて動き出している。
2024年3月に取り上げたのが、北海道日本ハムファイターズの本拠地、エスコンフィールドに導入された画像認識技術の進化形だ。監視カメラの人物・物体検知を応用し、混雑や立ち入り禁止区域への侵入、来場者のカウントなどが可能なソリューション「mitococa Edge」として2024年に販売を開始した。
さらに今回、新技術として展示されたのが「mitococa Edge」に生成AI(Open AIなど既存のもの)を組み込んだ「mitococa SUU」である。ユーザーが自然言語(通常の日本語の文章)で条件を入力するだけで、これまで定義が難しかった判定基準を自由に設定可能で、人間に近い判断が可能なシステムだ。
例えば「ヘルメットをかぶっている人を検知」と入力すれば、該当する人がマークされて通知が送信される。また、画像を読み込ませることで、通常は透明な液体に色がついていたら通知するなど、設備の状態監視にも応用できる。現在、実証実験段階であり、近いうちの実用化が期待される。







