異動や出向も、コミュニケーション力を磨くチャンス

 社内には勉強の場、コミュニケーション力を磨ける機会がたくさん存在しています。

 所属組織内で、上司への報告・連絡・相談(いわゆるホウレンソウ)、部門間調整、お客様との商談など、仕事を進めるうえでのすべての行為はコミュニケーション力を磨く機会と言っても過言ではありません。面倒と思うことや肌の合わない上司・部下がいる環境こそコミュニケーション力を磨くチャンスとも考えられます。

 不本意に感じる「異動」もコミュニケーション力を磨く絶好のチャンスです。新たな部門で先輩や上司と信頼関係を築くプロセスが否応なしに発生するからです。特に「出向」のケースでは他社の人たちと協働する機会も発生します。私は出向を「疑似パラレルキャリア」と捉えています。出向先で共に仕事をする、価値観を異にする人たちとの交流は、新たな視点や新たな仕事のやり方を学ぶ絶好の機会だからです(連載第5回で詳しく述べています)。

 異動や出向がなくても、個人の意識と工夫次第で社内で学ぶ機会を作ることは十分に可能です。同僚や先輩の仕事をじっくり観察したり、実際に一部の仕事を請け負ったり、別の部門の仕事を学んだり、部門横断プロジェクトの企画を作って提案したりするなど、主体的に働きかけていくことでコミュニケーション力が向上し、自らの可能性が広がります。担当業務が疎かになってしまっては本末転倒ですが、担当業務をしっかり行ったうえで、積極的に業務範囲を広げようとする姿勢は、業績評価上も決してマイナスにならないと思います。評価も上がり、コミュニケーション力も高まれば、まさに一石二鳥となります。社会人としての基本的なコミュニケーション力を社内で磨き、次のステップとして社外への越境を目指しましょう。

 自身の力が不足した状態で社外に出た場合でも学ぶことはあるでしょうが、周囲に与えられること、貢献できることが少ないと、結果的に、得られることが少なくなります。世の中、Give&Takeです。貢献できて初めて周囲もサポートしてくれたり、有用な情報を提供してくれたりするというものです。