壮大なパーパスを実現するためには、組織そのものも極限まで力を高めた「究極の組織」にならなければなりません。
「究極の個店経営」は単なる店舗運営の手法ではなく、ユニクロのパーパスを現場で実現するための具体的な仕組みであり、成熟市場である日本においても成長を続けるユニクロの強さの源泉でもあります。
ユニクロは2024年8月期には初めて売上高3兆円を突破し、さらに次期も増収増益を見込んでいます。この結果は、成熟市場と言われる日本においても、巧みな店舗戦略によって業績を伸ばし続けていることを証明しています。
成熟市場で「出店数」を
増やしても効果は出ない
ユニクロのパーパスと国内営業戦略のつながりの大枠を見たところで、ここからは現場での具体的な取り組みをより詳しく見ていきます。
一般的な小売業の成長戦略として真っ先に思い浮かぶのは、「店舗数を増やす」ことでしょう。
確かに、人口が増えていて、市場も成長していて、まだ出店できる地域があれば、この拡大戦略は有効です。実際、戦後の日本では多くの小売チェーンがこの方法で売上を伸ばしてきました。
しかし、日本のような成熟市場、しかも少子高齢化で人口減少に転じている市場では、単に店舗数を増やすという戦略はもはや通用しません。なぜなら、出店するために必要な商圏に限りがあるからです。
商圏とは、その店舗の周囲数キロ以内に住む人口や、その地域の購買力などを指し、出店の際に重要な指標となります。ユニクロはすでに、一定以上の商圏を持つ地域には全て出店し尽くしています。
つまり、売上が見込める地域にはすでに店舗があるため、これ以上店舗数を増やしても大きな効果は見込めないのです。
「日本全体ではまだまだ空白地があるのでは」と思われるかもしれませんが、空白地帯だからといって出店すればいいわけではありません。
当たり前ですが、ビジネスですので投資効率を考えなければいけません。ある一定の利益が出る商圏でなければ、出店してもコストを回収できず、投資に見合うリターンが得られない可能性が高くなります。







