「目的」と「目標」の決定的な違い
この劉備と孔明のエピソードは、現代の組織論における「目的」と「目標」の違いを鮮やかに示しています。リーダーが示すべきこれら二つの要素は、似ているようで全くの別物です。
●目的(Purpose)
組織の存在意義そのものです。「何のためにこの組織が存在するのか」という根本的な問いへの答えであり、リーダーがメンバーと共有すべき「大義」と言い換えられます。
(例:社会により良い商品を提供し、顧客に喜んでもらうこと)
組織の存在意義そのものです。「何のためにこの組織が存在するのか」という根本的な問いへの答えであり、リーダーがメンバーと共有すべき「大義」と言い換えられます。
(例:社会により良い商品を提供し、顧客に喜んでもらうこと)
●目標(Goal)
目的を実現するための通過点、あるいは手段です。
(例:売上高・利益の増加、内部留保の蓄積など)
目的を実現するための通過点、あるいは手段です。
(例:売上高・利益の増加、内部留保の蓄積など)
人を惹きつけるのは「数値」ではなく「志」
企業活動において、「売上高や利益を増やすこと」はあくまで、より良いサービスを継続して提供するための手段(目標)であり、それ自体が最終的な存在意義(目的)ではありません。
外部から優秀な人材を採用しようとする際、人は組織のどこに魅力を感じるでしょうか?
単に数値として掲げられた「売上目標」に心を動かされる人は少ないはずです。「この組織は何を目指し、何のために存在しているのか」という「目的」に共感したとき、人は初めて「ここで働きたい」と強く願うのではないでしょうか。
劉備が掲げた「漢王朝を再興し、世を正す」という志は、まさに人々を惹きつける「目的(大義)」でした。領土の拡大はそのための「目標」に過ぎません。
天才軍師・諸葛孔明もまた、領土の広さや軍事力といった条件ではなく、劉備が掲げたこの揺るぎない大義に心を打たれ、彼に生涯を捧げる決意をしたのです。
※本稿は『リーダーは世界史に学べ』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。















