クレカによるタッチ決済の
ICカードにはない利点
2014年、世界で初めてタッチ決済を導入した交通機関がロンドン地下鉄・バスだった。クレジットカードは使用時にカードの有効性を確認する「オーソリゼーション」を行うため、スムーズな改札通過・運賃収受が必要な交通機関には不向きだ。そこで、入場時はカードICチップのオフライン認証のみ実施し、正式な認証は利用者が下車するまでにバックグラウンドで行うシステムを構築した。
日本では三井住友カードの提供する公共交通機関向けソリューション「stera transit」と、QUADRAC株式会社が提供するSaaS型認証プラットフォーム「Q-move」が用いられている。今回の11社局相互利用サービスは、オムロンソーシアルソリューションズが開発した運賃計算システムを接続し、事業者をまたいだ運賃計算に対応している。
以上は内側、事業者側の話である。利用者にとってはどのような利点があるのだろうか。日本ではSuicaをはじめとするICカード乗車券が広く普及し、鉄道利用の9割以上がICカードである。タッチするだけで乗車できるという意味では何ら変わらない。
最大の違いはカードの入手経路と使用方法だ。主要ICカードは全国で相互利用できるため、別の地域に行っても新たにカードを購入する必要はないが、外国人は別である。ICカードは原則として国内でしか発行できず、入国後にICカードを入手する必要があるため、券売機や窓口の混雑や多言語案内の問題が付いて回る。
また、ICカードはチャージして使う必要があり、その都度、券売機の操作と日本円の用意が必要になる。これに対してタッチ決済は、手持ちのカードで残高を気にすることなく乗車できる。慣れない異国の地だからこそ、ありがたいサービスだ。
チャージの手間という意味では国内利用者も同様だ。オートチャージサービスの利用は鉄道事業者の発行するクレジットカードが必要で、Suica・PASMOで関西(ICOCA・PiTaPaエリア)を利用した場合など、他エリアではオートチャージされない。そんな時、チャージ不要で乗車できるタッチ決済は有力な選択肢になりえる。







