疲れを甘く見ていたことで
深刻な体調不良につながることも
では、「低頻度」と答えた人は、本当に「たまに」しか疲れを感じていないのでしょうか。
私の印象ですが、「疲れを自覚していない」、もしくは「疲れているというほどではない」と自己判断して、「そんなにしょっちゅう疲れてはいない」と答えた人が、相当数含まれているように思います。というのも、日本人の国民性というべきか、実際にはかなり疲れているにもかかわらず、「まだ大丈夫」と、がんばり続けることをよしとする風潮があるからです。
ですが、疲れを軽視してはいけません。「時間が解決してくれる」「根性で乗り切れる」などと腹をくくっていると、必ず“しっぺ返し”を食らうことになります。
「少水常流如穿石(しょうすいつねにながれていしをうがつがごとし)」という禅語があります。「わずかな水の流れであっても、絶え間なく流れ続ければ、やがては硬い石をも貫く」という教えです。
地道な努力や継続の重要性を説くすばらしい禅語ですが、裏を返せば、「小さな悪事や過ちも、積み重なれば大きな災いになる」ということでもあります。
「疲労」に関していえば、自分では「ちょっと疲れたな」と感じる程度でも、それが蓄積されることで、いずれ深刻な体調不良や病気の発症につながっても不思議ではないのです。だからこそ、疲れを見くびらないこと――。「休息の作法」を身につけて、こまめに疲労を解消していくことが大切です。
「休むタイミング」を探る習慣を
毎朝のルーティーンに
一口に「こまめに」といっても、人によって疲れのたまり具合は違います。それだけに、「休むタイミング」をはかるのは、なかなか難しいでしょう。
そこで、「休むタイミング」を逃さないためのいい方法をご紹介しましょう。
それは、毎朝のルーティーンのなかから、「疲れのバロメーター」となるものを持つことです。
じつは禅僧には、毎朝のルーティーンがあります。何時に起きて、何時にお経をあげて、何時に朝食をいただいて……というふうに、やることが決まっているのです。
「変化に乏しい生活」のように思われるかもしれませんが、だからこそ、自分の体調や気分のちょっとした変化に気づくことができます。
たとえば私の場合、お勤めのときに「声の出具合」をチェックするのですが、いつもよりも声がかすれていると感じることがあります。そんなときは、「ちょっと疲れているな」と思い、意識的に休息の時間を増やすなどの工夫をしています。







