今日やること3つを選んで
予定を見ずに実行してみる

 ただ「友達と会う」のではなく、具体的に会う人の顔を思い浮かべる。買い物であれば自分が売り場で買っている様子をイメージするといいという。

苧阪満里子氏苧阪満里子(おさか・まりこ) 1979年京都大学大学院教育学研究科博士課程教育心理学専攻修了。教育学博士。大阪大学名誉教授、大阪大学先導的学際研究機構共生知能システム研究センター招聘教授。専門は認知神経心理学。著書に『高齢者の物忘れを測る』(新曜社)、『もの忘れの脳科学』(講談社ブルーバックス)、編著に『ワーキングメモリと人間の知性』(大阪大学出版会)など多数。

 以前取材した際、苧阪満里子氏の夫で京都大学名誉教授の苧阪直行氏は、「たまにはスマホを使わず、脳のメモ帳を頼りに行動することも、ワーキングメモリを活発に動かしている」と述べていた。

 スマホに記憶させた予定を見ずに、自分のやることを3つ選択する。例えば「朝、スーパーで夕食の材料を買う」「昼は友達とレストラン」「図書館へ借りていた本を返す」というように。そしてきちんと行動できたかを一日の終わりに確認する。

 もし予定していたのにできなかった、けれども自分で気づければギリギリ合格。周囲から「あれを忘れているんじゃないの?」と指摘されたら失敗だ。失敗しても次の日にまたチャレンジすることが、ワーキングメモリの機能低下を防ぐという。

毎日を楽しむことで
脳の機能を高める

 そして一番大切なことは、「毎日を楽しむこと」と苧阪氏が締めくくる。

「前回の記事でバレンタインにチョコレートを渡す行為は、贈る側・贈られる側の双方の脳に良い影響を及ぼすと述べました。楽しい、うれしい気持ちはドーパミンを増やし、脳の機能を高めるからです」

「ですから会話も、読書も、絵を描くことも、楽しんで行ってほしい。自分が楽しみ、そして相手の気持ちを考えることがワーキングメモリだけでなく社会脳の機能も高め、脳全体に良いでしょう」

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