お笑い芸人とコピーライターは同じだった
佐々木 一方で、村上さんは本のなかで、もっと踏み込んで、どうやってネタを作るか、みたいなところまで踏み込んで書いていますよね。そんなことまで書いちゃって大丈夫なのか、と思ったんですけど(笑)。
村上 僕はもう10年で終わりです、って書いてます(笑)。
佐々木 そこで書かれていたことって、まさしく僕の仕事と同じだと思ったんですよ。自分の伝えたいことが相手の興味関心をどう引くか、を考える。だから、相手の興味関心の対象に向けて、自分の伝えたいことを伝えるようにする。
これまで僕らは会ったことがなかったのに、本当に同じように書かれていて。これには読んでいて驚きました。なんだ、コピーライターと同じじゃないか、と。
村上 仕事が違うだけですよね。佐々木さんはコピーライター。僕は、舞台で弁をふるう。直接しゃべったりとか、伝えることが仕事というのがはっきりしているから、そこで考えたり、自分なりに考察をして培っていった部分ですよね。本では、なんとなく感覚でインプットしたものを、ちゃんとアウトプットできたと思っているんです。
ただ、僕らがやろうとしていることって、結局、どの仕事でも同じだと思うんですよね。営業の人だって、そうなんじゃないでしょうか。
佐々木 そうですね。僕たちは、言葉を扱う仕事をしているから、毎日の商売道具としての言葉を突き詰めているけど、それはいろんな場面で必要なものですよね。
その考え方を、僕たちだけじゃなくて、一般の人も使えたら、もっとコミュニケーションがスムーズになる。
もちろん、一般の人がお笑いをやるわけではないし、コピーを書くわけではないんですが、日常生活の中で、例えば彼氏彼女の間のコミュニケーションだって、きっとより楽しくなると思うんです。そうなれば、関係も良くなる。
村上 だから『伝え方が9割』を読めば、まず身近な仕事でも、恋愛でも、具体的に生きてくると思いますね。だって、ちゃんと具体的な案が書いてあるんだから。サプライズ法とか、ギャップ法とか。
これまでうまく女の子に告白できなかった人や、OKをもらえなかった人も、とりあえずもらえる気がする本ですよね(笑)。
でも、もらえてから、始まることもあるから。言葉の力って、強いから。あくまで言葉って、お互いにとっての手段じゃないですか。それは、うまく使ったほうがいいに決まっている。
好きな人がいて、付き合いたいと考えたら、身振り手振り、フィーリングで合えばいい、という考え方もあるわけですよね。
でも、言葉というものがあるわけです。せっかくあるんだから、使ったほうがいいに決まっている。うまいこと組み立てて使うほうがいい。それで付き合えたら最高ですよね。
佐々木さんのこの本は、言葉は実は便利なツールなんだよ、っていうことを教えてくれている本だと思うんですよ。
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第10回 DJポリスが伝え方で使った「チームワーク化」。これを使えば動かない人も動く。
第11回 実は隠れコンセプトは「相手のことを想像する技術」【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(前編)
第12回 上司は、自分が上司にやっていることを部下にも同じように求める【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(後編)
第13回 伝え方を身につけたら、日本企業は強くなる【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(前編)
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プレゼン・講義の達人である元コンサルタントの「学者」と、日々笑いを観客に届けている「お笑い芸人」。
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