このたび『気配りの正解』を発刊した後田良輔氏によると、「人間は、無意識のうちに、他人の『いいところ』よりも『悪いところ』に反応する」という。したがって、気配りに大切なのは、「好かれること」ではなく、嫌われないように振る舞うこと。気配り上手になるには、相手にとって「不快ではない行動は何か」を考える習慣を身につけなければならない。では、「嫌われない自分をつくる武器」とは何だろうか?
「好かれる」よりも「嫌われない」が大事
まわりの人を味方につけるには、
「好かれようとすること」よりも、「嫌われないこと」が大前提
だと私は考えています。
就職活動が象徴的です。
私は以前、拙著『逆境を活かす!就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)の出版にあたり、「企業の採用基準」を調べたことがあります。
すると、人事担当者には「本音と建て前がある」ことがわかりました。
人事担当者は、必ずしも「いい人材」を採ろうとしているわけではありません。
もちろん、「いい人材」はほしい。けれど、それと同じくらい、職場仲間として、
●「好きになれるか」
●「仲よくなれるか」
という視点を大事にしていたのです。
「嫌われない」を意識することが、
気配りの第一歩
人事採用者は、
「好感度の高い人を採用したい」
というより、
「不快感を与える人は、採用したくない」
と考える傾向にあります。
ですので、人を見るときは、その相手の長所よりも先に、「靴が汚れている」「シャツがしわしわ」「無精ひげがある」といった、ネガティブチェックをしています。
このように、人は「本音」と「建前」の2つの側面があるため、本音の部分である、
「嫌われない」という大前提からスタートするのが正解です。
これは、就職活動に限った話ではありません。
生活のあらゆるシーンで「嫌われない」を意識することが、気配りの第一歩です。
●相手にとって「不快ではない行動」とは、何か?
●相手にとって「恥をかかせない言動」とは、何か?
●相手にとって「快適な時間」とは、何か?
を考えながら相手と接していきましょう。
いきなり「好かれる」のは難しいかもしれません。
けれど、「嫌われない」のは、簡単です。
なぜなら、「気配りの正解」を実践すればいいからです。