大きな主観とは、会社が何のために存在し、何を成し遂げようとしているのかを示す、理念やビジョンなどのこと。本稿では、こうした要素を「上位概念」と呼ぶ。

 この上位概念は、組織内にいるバラバラの個人が、同じ方向を向いて力強く進んでいくためのカギとなる。

 だから私は、「上位概念の共有」こそが、組織を動かすために、リーダーや上司が真っ先にやるべきことであると考えている。

チームを動かすのは
「What」「How」ではない

 この上位概念の重要性について、マーケティングコンサルタントのサイモン・シネックは、「ゴールデンサークル理論」という考えを用いて明快に説明している。

 2010年にTED(※Technology Entertainment Designの略。世界中の著名人によるさまざまなテーマの講演会で、YouTubeなどで視聴可能)で行われた講演では、当時TED史上最高の視聴回数を記録し、世界中に大きなインパクトを与えた。

 次の図を見てほしい。円の外側から「What(何を)」「How(どのように)」「Why(なぜ)」と並んでいるのがわかるだろう。

図表:ゴールデンサークル理論同書より転載 拡大画像表示

 中心にある「Why」は、その組織や個人がなぜ存在するのか、何のために行動するのかという目的や信念、大義を表している。

 真ん中にある「How」は、目的を達成するためのプロセス、具体的な方法、独自性などを指す。たとえば、その企業が持つ独自の技術や、顧客へのアプローチ方法などがそうだ。

 そして1番外側にある「What」(何を)は、最終的につくり出される製品やサービス、あるいは行動の結果を表している。