F:はい。日産のルークスという軽自動車です。
X:日産が軽を造っているとは知らなかった。
F:昔はOEMで他社から供給を受けて、日産のエンブレムを付けて売るという、いわゆる「バッジエンジニアリング」だったのですが、最近は三菱と軽専用の合弁会社を立ち上げて、自ら設計して販売しています。
X:そうか。さすが詳しいな。
フルモデルチェンジされた日産ルークス Photo by F.Y.
助手席から漏れた感嘆の声
X氏が助手席に座る。私が外からドアを閉める。走り出してほどなく、助手席から一言。
「これが最近の軽なのか……」
この言葉の重みは、軽自動車の世界を知っている人ほど分かるはずだ。社交辞令ではない。普段は“揺れの質”が磨かれたクルマに身を預けている方が、「助手席」という情報量の多い席で思わず漏らした感嘆の一言である。助手席は容赦がない。横方向の揺れ、ロールの立ち上がり、ブレーキ初期のピッチ、止まり際の所作がすべて身体に入ってくる。視界が開けているから、後席のように受け身でいられず、身体が勝手に評価してしまう席である。その席で感嘆の一言を上げた、という事実が今回のキモである。
F:驚かれたでしょう。これが最新の軽です。乗り心地も登録車に引けを取りません。子離れ世代が、ダウンサイジング目的で買うケースも多いと聞きます。
X:驚いた。日産が軽を造ることにも驚いたが、この仕上がりにさらに驚いた。
フロントサス部分。操舵と駆動が集中する前輪まわり。ここで入力を荒らさず受け止めるから、街中の継ぎ目でもゴツゴツしにくいのだ Photo by F.Y.
リアサス部分。リアのバネがしっかり仕事をする。小さな段差の角をここで丸めて、後席にドンと来る突き上げを減らしている Photo by F.Y.







