揺れ方が「混ざらない」乗り味の核心

 ルークス2WDの乗り味の核は、揺れ方が“混ざらない”ことにある。背の高い軽にありがちな、縦・横・前後の揺れが絡まり合い、身体がワンテンポ遅れて振られる嫌な感じが薄い。段差の角は丸く、入力のあと、尾を引かない。フワフワと柔らかくして誤魔化すのではなく、必要な分だけ、動くべき所だけ動き、それがスッと収束する。

 この「動きの方向がキレイ」な足は、同乗者を黙らせる力がある。助手席に乗る人が身構えない。身体をこわばらせない。踏ん張る必要なく、ただ座っていられるのだ。

 骨董通りを抜けて246の流れに乗ると、別の「品」が見えてくる。

 交通量が多く信号が多い道は加減速の連続であり、止まり際の所作がモロに出る。

 止まる直前にカックンと頭を揺すらないか。沈んだあとにフワッと戻ってから止まるような気持ち悪さがないか。ここが雑だと、助手席に乗る人は無意識に身体を構えることになる。しかし隣をそっと見ると、X氏は構えていない。氏が思わず上げた感嘆の一言は、この日常速度域での「品」にあるのだと思う。

 赤坂見附の立体交差を側道に入り右折。工事の進まない東急プラザ赤坂ビルの跡地を左に見ながら進む。この辺りは段差が多い。警官も多い。溜池山王の交差点を武装した警官に睨まれながら左折。スロープを上ってキャピトル東急の正面玄関。センチュリーとアルファードが停まっている。こちらにどうぞと真正面に手招きされる。試乗コースとして非常に厳しいシーンだ。

 最後の数メートルは微速と微ブレーキの連続であり、停止後の揺り返しまで含めて挙動に“品”が求められる。意外なクルマが正面玄関に横付けされたにもかかわらず、ドアマンは実に丁寧だった。サっと助手席のドアを開け、最近足元が怪しくなってきたX氏の降車を手伝ってくれる。さすが、いいホテルは教育が違う。

キャピトル東急のエントランスに横付けしても、ルークスはちゃんと「場」に馴染む。こうした瞬間に、クルマの奥深さが出るものです Photo by F.Y.キャピトル東急のエントランスに横付けしても、ルークスはちゃんと「場」になじむ。こうした瞬間に、クルマの奥深さが出るものです Photo by F.Y.