ですから味だけでは競争優位性が保てないし、食べる側もなかなか比較できない状態といえるでしょう。
ある有名チェーンのバイヤーの方に聞いた話ですが、日本人は味の冒険をしないそうです。知らない料理をあえてオーダーはしないと。確かに居酒屋に行っても、結局ポテトサラダとから揚げ、とか頼んでしまいますよね。
ですから少し気の利いたお店では、その誰もが知るメニューを名称や構成要素をちょっとだけ変えて、いかに魅力的かを競っているわけです。今度お店に行ったら、ぜひそういう視点でメニューを観察してみてください。
他に気を付けなくてはいけないのは、一口食べて「あ、おいしい!」という料理が増えていることです。得てしてファーストインパクトを強く、わかりやすい味にすることで、おいしく感じさせようという手法で、チェーン店などは特にそうです。
でもおいしさの基準はそこだけではないということは知っておいていいと思います。いわゆる、泣ける映画=いい映画ではない、みたいな感じでしょうか。その時は何も感じなくても、後からじわじわと来るおいしさだって重要です。
なにより大事なのは、味がわかる、わからないより、自分の姿勢でしょう。なんのために店に行くのかということです。
若い頃は居酒屋に行って、人の悪口とか人事の話、会社批判なんてしていた方が多いと察しますが、そういうのはもういいのではないでしょうか。結局泥酔して何も覚えていないし、翌日は体調が悪いだけですよね。
50を過ぎると食事を楽しめるのはあとせいぜい20~30年。悪口を言ったり、気の合わない人や運気の悪い人と一緒に過ごすのは時間の無駄です。
これが自己啓発本なら、そういう人と一緒でも楽しく食べる方法は、とか、自分自身が一緒に行きたい人になることが大事です、とかいう流れになるのでしょうが、人はそんなに簡単に変わりません。







