利害に目ざとく、人を利用価値で評価する傾向がみられる同僚に危険を感じることがあるという人は、その同僚のどんな言動に不信感を抱くようになったかを具体的に語ってくれた。

「上司や同僚など、周囲の人に対する評価的な発言をする際に、『あの人は使えないな』『あの人は使えそう』というような言葉が目立つんです。『あの先輩は、人はいいんだけど、駆け引きができないから、ちょっと使えないんだよな』『あの先輩は、きついことを言うし、ムカつくこともあるけど、広い人脈をもってるから、使いようによっては使える気がする。だから我慢してつき合うようにしてるんだ』とか、すごく露骨に評価的なことを言うんです。『使える』『使えない』といった評価軸で人を見ている感じで、何だか浅ましい人間だなって思ってしまいます」

 利害によって態度を極端に変える人物は信用できないが、その徴候は人を評価する際の評価軸に表れており、人を評する言葉を注意深く聴いていれば見抜けるということである。

手のひら返しに備えて、日頃から観察を

書影『裏表がありすぎる人』(幻冬舎新書)『裏表がありすぎる人』(幻冬舎新書)

 評価軸に利用価値が色濃く反映されており、さらに役に立つ相手だと思うと歯の浮くようなお世辞を平気で言ったり、役に立たない相手だと思うと態度が冷淡になったりするようなら、その人物は要注意だ。

 たとえ今のところ親しくしていても、それはこちらが役に立つと思っているからかもしれない。人と人の腹を割った本当の親しい付き合いというより、こちらの役割を評価・計算しているだけだったりする。

 たとえば、こっちが活躍していたり、上から評価されていたり、上から気に入られていたりと、いわば利用価値があるうちは好意的であっても、こっちが失脚したり成績がパッとしなくなったりすると、手のひらを返すように冷たい態度を取り、距離を置くようになったりすることも十分あり得る。

 このような点を頭に入れておき、日頃から観察していれば、危険な裏表人間の被害に遭うのを防ぐことができるはずである。