「今回、新しい企画を考える上で、まず押さえるべき大きな流れが2つあります。1つは、ターゲットである若者が『タイパ』を重視している点です。その結果として、ショート動画の利用時間が増えています。そしてもう1つが、競合の動きです。A社がインフルエンサーを起用し始めたことからもわかるように、我々もこの領域で手を打つ必要があります。そこで、今回の企画では……」

 いかがでしょうか。内容は先ほどと全く同じです。

 しかし、「まず」「1つは」「その結果として」「そして」「そこで」というつなぎ言葉が入るだけで、バラバラだった情報がスルスルとつながり、一本の論理的な線として頭に入ってきたはずです。

 このテクニックの背景には、「結束性」と「一貫性」という考え方があります。

 結束性とは、「だから」「しかし」といったつなぎ言葉で、文と文が物理的につながっていること。一貫性とは、話全体として筋が通っていると相手が納得できることです。

 説明がうまい人は、この「つなぎ言葉(結束性)」を意識的に配置することで、聞き手が迷子にならないための「道しるべ」を作っているのです。

結論から逆算する思考法

 さらに、説明がうまい人は話す前に、自分の思考プロセスを「逆算」しています。

 多くの人は、「現状こうで、競合がこうで……だからこうしたい」と思考の発生順に話そうとします。しかし、説明がうまい人は、まず「結論」を決め、そこから逆算して必要な情報を並べます。

結論:「ショート動画を使った企画をやるべきだ」
理由(1):「なぜなら、ターゲット層がタイパ重視でショート動画を好むから」
理由(2):「また、競合もすでに始めているから」

 このように、結論から逆算して情報を配置し、それらを適切な「つなぎ言葉」で結ぶ。これこそが、相手が理解しやすい説明の正体です。