会話から学ぶべき真実はあるが、それはしばし立ち止まり、振り返ってみて初めて見つけられる。学びの質問は、今終えたばかりの会話が役に立つことを前提に、何が役に立つのかを学ぶ瞬間をつくる。

〇最も役に立つ大事なことを見つける

 フィードバックを与えるならば、多いより少ない方がよい。12も改善すべき事項を挙げられたら、誰だって参ってしまう。記憶するに足るOBT、One Big Thing(1つだけ大事なこと)を見つける方が効果的である。

 この質問をすれば、会話から得られる1つか2つの重要な学びに焦点が当たるようになる。

〇個人に着目する

「あなたにとって」の一言で、質問が抽象的な概念論ではなく、個人に向けた具体性を帯びたものになる。その結果、相手が新たな神経回路をつくる助けとなる。

 相手が自分にとって、何が最も役に立ったかを話す。あなたが自分の考えを話すよりも、着実な学びが生まれるはずだ。

〇あなたにフィードバックを与える

書影『1万人のマネジャーを指導したコーチングのプロが教える 質問力で人を動かす』(マイケル・バンゲイ・スタニエ著、吉村明子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)『1万人のマネジャーを指導したコーチングのプロが教える 質問力で人を動かす』(マイケル・バンゲイ・スタニエ著、吉村明子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 相手の答えに耳を傾けよう。それは相手だけでなく、あなたにとっても有益だからだ。次回、もっとよくするにはどうすればいいかを教えてくれる。

 そのうえ、アドバイスをせず質問をするだけで十分役に立っているということに(もしまだ確信を持てていなかったのなら)確信を持てるようになる。

〇学びであり、判断ではない

「役に立ちましたか?」と尋ねるのとは違う。「役に立ちましたか?」では、「はい」か「いいえ」の判断を求めるだけで、深く考えるきっかけとはならない。

「何が最も役に立ちましたか?」と尋ねることで、相手は会話から価値を見つけ出し、学びを得る。

〇あなたが役に立つ人であることを思い出させる

 年次の業績評価の時期を迎え、社員はアンケートに答える。上司を評価する欄で、「マネジャーはあなたを支援してくれますか?」と尋ねられ、あなたの部下はこの1年間を思い起こし、マネジャーであるあなたとの会話がすべて役に立つものだったとあらためて気づく。きっと最高点をつけることだろう。