私は犬も猫も飼育経験がありどちらの天使ぶりも知悉(ちしつ)しているので、犬派猫派のどちらかには決めることはできない――悪くいえばコウモリ野郎のような、よくいえば万物を等しく慈しむ観音菩薩のような立ち位置であり、当記事はどちらの派閥にも肩入れしないことをここに明記しておく。

飼育頭数はここ10年ほどで逆転
ネット空間では猫派多数のねじれ現象?

 犬派・猫派を年代別に見ると新たな発見がある。2018年にクロスマーケティングが行った調査によれば、50~70代(特に60代)では犬派が歴然として優勢(特に男性の高齢層に犬派が多い)だ。

 また、pepyが2021年に行った調査によれば、全体的に見て若い人ほど猫を支持する傾向が強く、20代以下で唯一猫派が優勢となっていた。

 ネットで猫関連のコンテンツは恒常的に人気があるので、ネットに親しみのあるZ世代・α世代の支持を受けてのことであろう。

 全年代通じては優勢の犬派だが、国内の飼育頭数で見ると猫の方が多い。かつては猫より多かった犬の飼育頭数はなだらかに減り、猫は横ばいあるいは微増をキープしてきた。

 これもいくつかデータがあるが同様の傾向を示していて、猫が犬を上回ったのは2013~2017年あたりとされている。これには、高齢化や単身世帯・共働き世帯の増加で飼育の手が犬よりかからない猫が選ばれやすいといった社会背景や、猫の方が多頭飼いしやすいといった理由があると見られる。

 つまり、好きと答える人の数では犬がやや優勢だが、実際の飼育頭数とネット空間での存在感では猫が強い、というねじれが生じている。

 かくも我々の生活に密接に関わりネコノミクスまで起こすに至っている猫。歴史をひも解いてみると、猫の扱いはその時代に暮らす人々の意識を反映している部分がある。