ネズミをやっつけるために持ち込まれて
平安貴族の間で可愛がられる
日本に猫がやってきたのは平安時代とされていて、ネズミをやっつけるために大陸から持ち込まれたところ貴族の間でかわいがられるようになったとされる。源氏物語や枕草子にも猫は登場するし、一条天皇の飼い猫は「命婦の御許(みょうぶのおもと・おとど)」という名前と位階まで与えられて敬われていた。
猫は当時希少だったし、猫の醸す「雅さ」には平安貴族たちも引かれたであろうから、下にも置かないかわいがられ方をしていたのも頷ける。この時代の貴族たちの猫の愛され方はちょっと現代に似ているところがあるのかもしれない。
江戸時代になると猫は庶民の間でも飼われるようになるが、ちょうど怪談が広がって化け猫や猫又といった猫由来の妖怪が語られるようになった。
同じ飼育動物でも犬は明るいし人間に忠実で人間側の生き物だったが、猫はご存じの通り気ままで、人間側に来たかと思えば、境界の外へふらりと行方をくらましまた人間側に戻ってくるといった具合で、犬ほど人間に従属する生き物ではなかった。
加えて夜行性、油を舐める、爪が鋭い、夜に寄り集まって鳴きまくる謎の集会を開く、時に赤ん坊のような時に野太い不穏な声を出す、人語を解しているように見える(私の飼育経験だと歳を重ねるほどよく人と会話しようとする)、唐突に何かに取り憑かれたかのように一心不乱に走り回る(私の飼育経験だと主にうんち前後)などなど、人には理解しがたい習性が多くあり、これらが合わさって「不気味な存在→妖怪」という解釈を手伝った。
世界的にも猫は闇の象徴として扱われた時代があった。江戸時代に猫の妖怪が語られていたのとほぼ同時期の16〜18世紀、中世ヨーロッパでは猫が魔女の使い魔として魔女狩りの対象となっていた。特に黒猫は不吉とされたそうである。刺激が強いので詳しくは書かないが、当時は厄除けや娯楽として「猫焼き」という催しもあったそうである。







