複雑な条件に対応した
AIシフト作成も共同開発

――AIシフト作成も現場発と聞きました。

込山 グループ会社であるJR西日本中国メンテックの開発です。新幹線の清掃事業所は100人以上、博多に至っては400人近くいるため、勤務シフト作成に非常に労力がかかっていました。さまざまな条件を満たすシフトの作成には経験とノウハウが必要で、今後は人材確保も難しくなります。

 そこで、(JR西日本中国メンテックが管轄する)広島の新幹線基地で勤務を組んでいた社員が、これは何とかしないと考え、経験の浅い人でも勤務作成ができるシステムを「ひめぎんソフト(愛媛銀行のグループ会社)」と共同開発しました。2023年度から広島で導入しています。

図表:AIシフト管理システム概要AIシフト管理システム概要(JR西日本メンテック資料より) 拡大画像表示

――シフト作成AIは既存のものがあると思いますが、何が違うのですか。

込山 さまざまな勤務形態、雇用形態など、通常の企業より複雑な条件に対応しています。また、シフト作成だけでなく、休暇申請、超勤や勤務変更などの勤務管理もあわせてシステム化し、これまで事業所に常時4~5人いた内勤者がほぼいなくなりました。これを既存製品より低コストで実現しました。

 当初からグループ内の横展開を想定していたため、2024年度に岡山、博多、2025年度には北陸新幹線の金沢でも一部使用を開始しており、年度内に近畿エリアの全箇所へ導入を予定しています。要望があれば外部企業への提供も対応できます。

――こうした取り組みで従来のイメージを塗り替えていけそうですか。

込山 私たちは鉄道系なので安全やコンプライアンスに非常に力を入れており、その分コストがかかるんです。市中の物件は値段で絶対に勝てない。パートさんも含めて給与も高くしたい思いはあるので、付加価値の高い仕事をしていくしかない。 単なる清掃の作業者ではなく、付加価値が評価される清掃の技術者を目指していきたいと思っています。