このように、「徹底的に好きなことをやってみる」行為は、得意な感覚を通して自信を生み出し、職場でのストレスを優位に減らしてくれます。

 また、好きなことを極めるという体験は、脳に快感学習として深く記憶されます。

 しかも、快感の記憶が複数あることで、扁桃体は余計な警戒モードを解除しやすくなり、人へのストレスも感じにくくなる効果が期待できます。

 私は、企業の研修でもよくこの事実をお伝えしていますが、ある企業の女性社員の方が面白い体験をしたそうです。

 彼女の仕事はハードで、残業も多かったのですが、講演を聞いて、「最近は仕事や家事、育児に追われて、好きだったゲームをやっていなかったな」と気づきました。

 そこで、お子さんが持っていた「スイカゲーム」というゲームをやってみたところ、あまりにも面白くはまってしまい、毎日1時間ほどプレイし、腕も上がったそうです。

 数週間たち、彼女は、取引先に関する不安を感じにくくなっていることに気づきました。以前は、針の糸を通すほど相手の気持ちを細かく考えるほうでしたが、少し気楽に考えられるようになったといいます。

 ホビーマニア法は大人だけではなく、子どもにも効果があります。

 実際にあった話ですが、ある小学3年生の男の子が、親しい友人ができず緊張から不登校になりかけたとき、興味を持ったのがピアノでした。「どうせやるなら、とことんやりなさい」と親御さんが背中を押し、小学校3年生では難しい「エリーゼのために」を高速で弾けるようになったところ、得意なことができて自信が生まれたのか、学校であまり緊張を感じなくなり、普通に通学できるようになったそうです。

 この場合も、好きなことを極めることで扁桃体が反応しにくくなり、人間関係のストレスが減ったのです。

「好きなこと」をしていると
新しいことに挑戦する意欲が湧く

 なお、仕事以外の好きなことに没頭すると、「新規性傾向」といって、新しいことにもチャレンジしたくなる効果があります。