Amazon GoPhoto:123RF

注目されたAmazon Go
完全撤退となった理由

 鳴り物入りでスタートしたAmazon Goだったが、2026年1月下旬に実店舗の完全撤退が報じられた。Amazon Goは、Amazon創業者であるジェフ・ベゾス氏が、「レジなし・行列なし」という顧客体験改革の理念に基づき開発を指示した店舗だ。

 顧客はアプリで入店し、商品を手に取ってそのまま店を出るだけで決済が完了する。2018年にこの店舗の仕組みが一般公開されると、その斬新さに世界が驚き、店舗フォーマットの根本的な刷新が期待された。

 しかし、いかに斬新な店舗フォーマットといえども、根本的な経済の仕組みから逃れることはできない。この事例における経済上のポイントは、店舗運営にとっての二大費用である人件費と家賃とのバランスである。

 一人当たり人件費や一平米当たり家賃といった原単位で見た費用は、店舗運営側にとっては所与であり、変更できない。店舗運営側が自主決定できるのは、原単位で見た投入量(人員数や売り場面積)だけだ。

 人員数と売り場面積の使用比率の決定は、その相対価格に影響される。都市部と地方の原単位で見た費用(一人当たり人件費や一平米当たり家賃)は、絶対価格では都市部の方が高い。しかし、相対価格では都市部は家賃が高く、地方は人件費が高い。