政治家や経営者として
活躍する卒業生たち

 経済界で活躍している卒業生を、見てみよう。

 電源開発、略称「Jパワー」という会社がある。電源開発促進法により、52年に国の特殊会社として設立された電力の卸売会社で、04年に完全民営化された。民営化後の第7代社長に23年6月より就いていたのが菅野等(かんの・ひとし)で、酒東の卒業生だ。

 菅野は84年に筑波大比較文化学類で現代思想を専攻し、卒業後に生え抜きとして電源開発に入社した。完全民営化から20年余り、温室効果ガスの排出量から吸収量・除去量を差し引いて実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指してきた。しかし菅野は、後進に道を譲りこの3月末で社長を退任する。

 大企業のトップを務めた卒業生では、上野栄枝(えいし、三井製糖)、中村恒也(セイコーエプソン)、前田滋(荏原製作所)らがいる。

 染谷英雄は電子部品商社の栄電子(東証スタンダード市場)の創業者で、会長を経て25年6月からは相談役だ。

 皮膚科臨床医の戸沢明子は、機能性化粧品販売のプロティア・ジャパンの創業社長だ。

 地元の経済界では、荘内証券社長をした和嶋茂男と、東北銘醸社長だった佐藤淳司が酒田商工会議所会頭を務めた。

 前田直己・直之父子は、コンクリート製品の前田製管のトップを務めた。酒田市のスーパー、ト一屋の経営者、荒木俊彦・洋一父子も酒東OBだ。

 梅屋智紀(ともき)は米ニューヨーク州弁護士で、ネット企業のグリーで執行役員・法務総務部長や、ヤマト運輸で執行役員(法務、リスクマネジメント)を務めるなど企業法務の第一人者だ。

 政治家では、阿部昭吾が衆院議員を10期務め、社会民主連合書記長の座に就いた。15年に死去した。

 衆院議員を1期だけ務めた斉藤淳(民主党)は、米エール大助教などの後、東京と酒田市で中高生向けの英語塾を開いている。酒東から上智大大学院修了だ。

 建設官僚だった阿部寿一は、酒田市長を4期務めた後、1期だけ衆院議員になった。

 山形県議会で唯一の女性県議だった(初当選時)和嶋未希は、09年8月の衆院選で民主党から出馬し当選した。1期途中で辞任し、酒田市長選に出馬したが落選した。

 丸山至が15年から2期8年間、酒田市長を務めた。任期中の23年4月、性的少数者のパートナーシップ宣誓制度の導入を実現した。山形県内の自治体で初めてだった。

 相馬大作は91年5月まで酒田市長を5期20年間、務めた。旧制酒田中学卒の国井重典は、50年代に1年余り、山形県鶴岡市長を務めた。

 山形県遊佐町長の時田博機は、24年2月に死去した。

 学者・研究者では、都市開発論の小松史郎、西洋史の佐藤彰一、国文学の佐藤彰、西洋音楽史の松村洋一郎、仏文学の斎藤磯雄らがOBだ。斎藤はフランスの詩集・小説などを多数、日本語訳した。

 理系では、医学者の前田晃一、吉田聡、昆虫地理学の稲泉三丸らが卒業生だ。

 佐藤修一は、宇宙物理学を専門とする法政大教授だ。

 平尾彰子は早稲田大で生命工学を専攻、体内時計や時間栄養学などで先進的な研究業績を挙げている。早大大学院先進理工学研究科博士課程2年時の11年に、第10回杉田玄白賞(福井県小浜市主催)を史上最年少で受賞した。