このような不適切な配慮は、おこなう側が善意から行動しているつもりであるため、自分の行為が問題であることに気づきにくい点が特徴です。
そこには、自分の価値観や感情を基準にする自己中心性があり、「これが相手にとっても良いことだ」という思い込みが、目を暗ませてしまうのです。
過剰な支援を受けた人には
自尊心の低下が生じる可能性も
不適切な配慮が、人間関係に悪影響を及ぼすことは、想像に難くありませんが、相手に対して、不快感以外の、様々な望ましくない心理的な影響をもたらすことにも注意が必要です。
かりに、あなた自身が、望んでもいないのに、過剰な支援やアドバイスを受けると、どのような気持ちになるでしょうか。うっとうしいとか、面倒だという気持ちが、まずは思いつくでしょう。しかし相手に対するこのような気持ちだけではなく、場合によっては、自分自身に対しても、情けなさや無力感を経験するかもしれません。
「他者は、私が支援やアドバイスを必要とするのだと思っている」という認識は、自分にはダメなところがあるのではという考えにつながります。不適切な配慮を受けることで、自分に対するネガティブな感情や認知が生じ、さらには、自尊心や自己効力感の低下も招く懸念があります。
自己効力感とは、バンデューラという心理学者が1977年に提唱した概念で、自分の能力に対する信念のことを指します。「自分ならできる」「きっとうまくいく」という感覚のことであり、それにより、私たちは、困難な状況に対しても積極的に取り組むことができるようになります。
健全な自己効力感を持つことは、仕事や社会生活をうまくこなすための基盤になりますが、不適切な配慮を受けることでそれが脅かされると、不安やストレスが生じ、さらには、日常生活や仕事にも支障が出てきかねません。







