まずは国内の金融機関との関係性です。巨額の投資に必要な資金を供給してくれるのは国内の優良な金融機関という構造ができていますから、ここをないがしろにするのは得策ではありません。

SBの役員と従業員にとって
米国上場の合理性はないが…

 つぎにナスダック上場によるデメリットもあります。まず上場維持のコストは激増します。さらに訴訟リスクも高まります。

 日本なら巨額の損失を出しても、「やや有頂天になる自分があった。今となれば、大変恥ずかしく反省している」と頭を下げれば投資家は応援してくれます。

 しかし、ナスダック上場で大赤字を出して株価が大幅に下落したとしたらそれでは済まないでしょう。

 さらには後継者も日本人ではなく、GAFAM出身のインド系アメリカ人が台頭するでしょう。

 経営幹部にとっては職場環境が激変します。これらのデメリットを考えるとソフトバンクグループの従業員や役員にとっては、グループをナスダックに上場させる合理性は「ない」と考えるべきでしょう。

 合理性はないのです。たったひとりの例外を除いては。それが孫正義会長です。なにしろ毎日、人間ではなくAIに経営相談をしている方ですから、私たちが思いもよらない結論に到達する可能性は常にありえます。

 おそらく孫会長はすでにAIに尋ねているでしょう。

「PayPayが成功したら、次はどこをナスダックに上場させようか?」

 するとAIはこう言うかもしれません。

「次はお前だ」と。

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