そのミスとは、「事実」と「意見(解釈)」をごちゃ混ぜにして話していることです。

 多くの「説明が下手な人」は、悪気なく自分の主観を事実のように語ってしまいます。

「たぶん大丈夫だと思います」「お客様も満足しているようです」

 こうしたあいまいな言葉遣いは、単に「わかりにくい」だけでなく、ビジネスの現場では「情報の混濁」として扱われます。

 一度でも「こいつの報告は事実と意見が混ざっている」とレッテルを貼られてしまうと、その後の提案はすべて「話半分」に聞かれる可能性が高まります。このような状況を回避し、「信頼される説明」にするためには、どのようにすればよいのでしょうか。

「たぶん」「おそらく」は相手の判断を誤らせ、上司の信頼を損なっていく

 なぜ、事実と意見を混ぜることが、それほどまでに危険なのでしょうか。

 典型的な「ダメな報告」の例を見てみましょう。あるプロジェクトの進捗について、上司に報告する場面です。

×:説明がうまくない人
「先週、クライアントに提案したんですが、感触はイマイチでした。どうも先方は、ウチの提案をあまり評価していないみたいです。おそらく、価格が高いと思われているんでしょうね。このままだと、たぶん厳しいと思います」

 いかがでしょうか?「感触はイマイチ」「評価していないみたい」「おそらく」「たぶん」。この報告には、客観的な情報がほとんど含まれていません。すべて報告者の「主観的な解釈」だけです。

 これを聞いた上司は、判断に困ります。「価格が高いと思われている」というのは本当なのか?それとも報告者がそう思い込んでいるだけなのか?

 もし、これが報告者の思い込みだとしたら、会社は「価格を下げる」という誤った対策を打つことになりかねません。

 人間には「確証バイアス」という心理的傾向があります。一度「きっとこうだ」という意見(仮説)を持つと、それを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視してしまうのです。